『屍者の傍らで眠る』〜其の壱 [ゆくすえ]
人生の黄昏という言葉がある。でも僕は死ぬ間際まで明るく輝いた人生を歩みたいと思うんだ。
挫折多きこの半生。
人生の悲哀は何度も味わった。
生きていく以上そんなことは誰だって一度や二度は経験しているもの。
しかし老いてからの挫折とそれに伴う心の痛手はさすがに堪えるもの。
還暦を過ぎてからの挫折は二度ほど味わった。
一度目はなんとか乗り越えたが二度目は殊の外堪えた。
そこから再び立ち上がるのは挫折には馴れているはずの僕でも容易ではなかった。
でもどうにか立ち上がって今僕はここにいる。
明日になれば東の空から太陽がまた昇るように、
僕もまた何食わぬ顔で明日を迎え、
天から与えられた日々を精一杯生きるだろう。
生きている限り哀しみや苦しみを乗り越えてそうやって日々を生き切るであろう。
天から召されるその日まで。